『寄り添う』ということ

appearance care

「お友達が、乳がんで手術をするために入院しました。会いにきてほしいって言っていたので、来週早速行こうと思っています! 入院時に、何か喜ばれる物って、、、ありますか?」

先日、院内の広報誌を見てくださった方が、「アピアランスケアについて初めて知りました。」との内容のメールがありました。

そして、先日乳がんの手術のために入院した友達のために、何かできないかと、私にメールを送ってくださいました。

毎日忙しく仕事をして、やがて結婚して、家庭をもち、自身のことなどは後回しで、一生懸命子育てをして・・・

そのお子様が成人して、新たな道へと巣立っていき、ここからは、少しずつ自分の時間、昔からの友達と一緒に旅行でも~と思っていた矢先だったそうです。

ご家族には言えない悩み、ご家族だからこそ言えないこともたくさんあるそうです。そんな時、このメールをくださった方のようなお友達がそばいるのは、、本当に嬉しく、そしてご本人も心強かっただろうな~と思います。

だからですね、きっと。手術前も手術後も、自身が大変なのに、それでもやっぱり会いにきてほしいと・・・。

「では、逆に○○さんは、何をもっていったら喜ぶと思いますか?」と、お聞きしたところ、

「うーん、あまりかさばらないけど、あったら嬉しいもの、、まー気兼ねなく使えるものとかがいいかな~タオル?Tシャツとかでしょうかね」と。

入院って、、一度経験してみないとわからないことたくさんありますよね。

私の母親はよく、「病院に着ていく洋服が無い!」とか「いつ入院しても困らないように、下着買っとかなきゃ!」と言っています笑。

そんなのなんでもいいじゃん!売店でセット売ってるでしょ!って、言う方もいますが、特に女性は、「入院する」⇒「新しい下着買わなきゃ!」となるそうです笑。 

たしかに…新しいの、買い揃えますよね笑。

その方は、女性のお友達同士でしたので、お話ししたらやっぱり下着類があれば助かる!とのことでしたので、「そうしましたら、肌着やショーツ類は、なるべくなら白よりも『グレー』の色ものが良いですよ!」とお伝えしました。

昨年、勉強会にて教えていただいたこと実践です☆

術後、たくさんのチューブやら、点滴やらで、ベッドから動けないときは、トイレも行けず、自身の体液や汗、血液が付着してしまったり、排泄もベッドの上ですることになりますので、汚れがどうしても下着やシーツについてしまいます。

そんな時、やはり汚れが目立つのです。

看護師さんに替えていただくのですが、それが、やはり目立つので、毎回とても恥ずかしいと…。ましてや、手術していなかったら普通の生活し、自身のこともなんでもちゃんとできるし、仕事もバリバリこなす、キャリアウーマン。

病院の売店には、大体、入院セットとして下着や腹帯など置いてありますね、そのほとんどが未だに『白』だそうです。汚れが逆に目立つようになのかも?しれませんが、そのことを看護師さんに伺ったところ、

「ううんそんなの、白じゃなきゃだめなわけないよ!大丈夫。それは私たち看護師がちゃんと見て気づかないといけないことなの!だから、色物の下着でも患者さんが満足した方が、いいのよ!」とのことでした。

そういえば・・・放射線科に検査来られた患者さんの中には、特に女性の患者さんですが、「ごめんなさいね、こんなお洋服でー」とか「やだーこんなことになるなら、ちゃんとしとけば良かった」とおっしゃる方が多々います。

救急で来たのに、そんなこといってられないよ!と誰もが思い、「いいんですよ!大丈夫ですよ!ごめんなさい、脱ぐのお手伝いしますね~」と(何が大丈夫なのか、もはやわからぬですが・・・笑)お伝えしますが、やはり患者さんとしては、羞恥心だけでなく、「ごめんなさい」という言葉も聞こえてきます。

いつになっても、そしていくつになっても、例え、救急で運ばれて大変だった時であっても、こういった感情や振る舞いがあるということは、、、やはり人間らしいことだと思います。

術後で自身が大変なのに、下着やシーツについた汚れを気にする、それを交換してくれる看護師さんたちにも申し訳ないと思う。その気持ちや態度は人間だからこそですね。

『寄り添う』って、難しいと思います。

四六時中ずーっと一緒にいられるわけでもないし、その友達が治るまでずっと一緒、というわけにもなかなかいきませんね。

ただ、例えば、下着一つとっても、「なんかね、グレーって、案外血液とか目立たないらしいよ!ピンクとか可愛いんだけどさ、結構目立っちゃうのよね笑」と、そっとアドバイスをする。

また、「石鹸もさ、ポンプで押せるものの方が良いよ!片手しか使えない時もあるから、キャップもとれないし、あと、自分で片手で泡立てるのって、大変よ!」とアドバイスをする。

こういった、ちょっとしたことも、寄り添う、アピアランスケアの一つだと思います。

ご家族やお友達が入院された時、「タオルを買ってきてほしい」「ティッシュが欲しい」「下着が欲しい」色々要望もあると思います。

「もしかしたら、片手しか使えないかも」「お風呂も毎日入れないだろうから、何色の肌着なら汚れも目立たないかな~」など、少し先を考えて買ってみる。そして、アドバイスをする。

少しでも入院生活が快適に過ごせたら、良いですね。

一緒に考え提案することも、『寄り添う』ということだと思います。

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